2019年3月26日火曜日

第11回期日の概要報告

 国に対してマイナンバー制度の人権侵害等を訴える「マイナンバー(共通番号)違憲訴訟@神奈川」の第11回期日が2019年3月7日、横浜地裁・101号法廷で開廷。朝から雨が降る中、原告・傍聴者など105名が参集し、午前中は傍聴席が満席となりました。

全国の同訴訟で初の証人尋問
証人・原告の3名がマイナンバーの問題点、違憲性を熱弁

 この日は、全国8地裁で係争中の同訴訟では初となる人証尋問が1日掛かりで行われました。
 午前は証人の森田明さん(弁護士)が、マイナンバー制度に係る行政事務等の実情を踏まえて証言【森田さん意見書】。特に自身が委員を務める県の情報公開・個人情報保護審議会で携わってきた、各種行政事務の特定個人情報保護評価の策定・審査等について、▽自己評価の限界、▽評価書の難解さ、▽意見公募の形骸化――等の問題点を指摘しました。
 午後に入り、証人の原田富弘さん(自治体職員)が証言【原田さん意見書】。▽情報連携システムの仕組みと問題点、▽自治体事務の負担増大の実態、▽相次ぐマイナンバー漏洩事故の発生とその原因――等を詳述しました。
 続いて、原告本人の宮崎俊郎さんが証言。番号で一元管理された個人情報で人格形成がなされることの嫌悪感を訴え、マイナンバー制度という巨大な情報システムに参加しないという選択権を主張しました。

些末な国側の尋問、左陪席裁判官は居眠り…
被告、司法の怠慢な態度に怒り

 証人に対する被告・国の代理人の反対尋問は、証人の意見書の文言に対して揚げ足を取るような些末な質問ばかりでした。そればかりか、原告の宮崎さんに対しては反対尋問をしないという、高慢な態度でした。
 裁判所においては、事前協議の段階で、証人尋問に使う書類をモニターに映し出す映写機の使用を禁止するという、原告・傍聴者への配慮に欠けた対応でした。また当日は、裁判長の隣に座る左陪席裁判官(主に判決文の起案を担当)が尋問中に居眠りをするという、司法側の怠惰な態度も見られました。

次回期日で結審

 3名の人証尋問が終わり、裁判長から次回期日(6月20日午前11時~)での結審が言い渡されました。原告側は、▽最終準備書面の提出、▽最終弁論、▽原告複数名の意見陳述――を要求。次回期日の前に調整することとなりました。
 裁判終了後には波止場会館で報告集会を開催。弁護団代表の小賀坂弁護士が裁判の報告とともに、結審に向けて原告一同の決起を呼びかけました。またこの日は、大阪訴訟、福岡訴訟の弁護団も遠くから参加され、勝訴に向けて全国一丸の取り組みを呼びかけました。
 報告集会の終了後には、同じ波止場会館内の食堂で懇親会を開き、この日のために数カ月も準備と打ち合わせを重ねてきた証人・原告の3名と弁護団を慰労しました。

報告集会(動画) 提供:JOURNAL ASIA


写真は報告集会の様子です
 

2019年3月7日木曜日

資料室(更新:2019年3月7日)

[原告の提出書類]

<2018.12.20 第10回期日>

準備書面17「再び起こった違法な再委託、及び被告第3準備書面に対する反論等」

<2018.10.25 第9回期日>

準備書面16「事故事例・個人情報保護委員会の機能不全の追加主張」

 →意見陳述要旨(原告代理人:小林弁護士)
証拠証明書9(甲53~58)
意見陳述要旨(原告:宮崎氏俊郎氏)
証拠申出書
意見書(証人申出:原田富弘氏)

<2018.6.21 第8回期日>

準備書面13「被告第2準備書面の反論、最高裁判決を踏まえた主張等」
準備書面14「被告第2準備書面の事故事例部分に対する再反論等」
準備書面15「個人情報保護委員会の機能不全」
意見陳述要旨(原告:鈴木京子氏)

<2018.3.29 第7回期日>

準備書面12「事故事例の補充の主張・立証」
意見陳述要旨(原告代理人:小林弁護士)
証拠説明書(甲41の1~24)
意見陳述要旨(原告:知念氏)

<2017.12.21 第6回期日>

求釈明書
準備書面10「情報提供NWSの運用開始時期について」
準備書面11「本件における違憲審査基準について」
意見陳述要旨(原告代理人:小賀坂弁護士)
証拠説明書5(甲38)
証拠説明書6(甲39-40)
甲38-40証
意見陳述要旨(原告:中森氏)

<2017.9.14 第5回期日>

準備書面7 「被告第1準備書面に対する反論」
意見陳述要旨(原告代理人:竹本弁護士)
準備書面8 「被告第1準備書面 、 事故事例部分に対する反論等」
→関連:別紙 特別徴収税額通知書の誤送付例
意見陳述要旨(原告代理人:小林弁護士)
準備書面9 「被告の主張する個人情報保護措置が極めて不十分であること」
意見陳述要旨(原告代理人:小賀坂弁護士)
証拠説明書(4) → 甲22から甲37
意見陳述要旨(原告:成澤氏)

<2017.5.17 第4回期日>

準備書面6 「マイナンバー制度に関連する事故例のさらな紹介」
意見陳述要旨(原告代理人:小林弁護士)

<2017.2.9 第3回期日>

準備書面4「住基ネット最高裁判決を踏まえた主張」+「証拠説明書(2)」
→関連:意見陳述要旨(原告代理人:石畑弁護士 憲法論・秘匿性)
→関連:意見陳述要旨(原告代理人:竹本弁護士 目的論)
→関連:意見陳述要旨(原告代理人:大野弁護士 情報漏洩の危険性等)
準備書面5「情報提供ネットワークシステムの根元的問題点等」
→関連:意見陳述要旨(原告代理人:小賀坂弁護士 国によるシステム管理の問題等)
意見陳述要旨(原告:辻村氏)

<2016.10.13 第2回期日>

準備書面1「答弁書に対する認否とプライバシー権について」
準備書面2「マイナンバー制度に関連する事故例の紹介」
→関連:意見陳述要旨(原告代理人:鈴木弁護士)
準備書面3「情報ネットワークシステムの概要と問題点」
意見陳述要旨(原告:鈴木氏)

<2016.6.23 第1回期日>

意見陳述要旨1(原告代理人:小賀坂弁護士)
意見陳述要旨2(原告代理人:大野弁護士)
意見陳述要旨3(原告:宮崎氏)
意見陳述要旨4(原告:藤田氏)

<2016.3.24 提訴>

 訴状「マイナンバー(個人番号)利用差止等請求事件」

[被告(国)の提出書類]

<2018.12.20 第10回期日> NEW

第3準備書面
証拠証明書(4)
乙41号証-乙43号証
人証申出に対する意見書

<2018.3.29 第7回期日>

<2017.5.18 第4回期日>

→関連 乙9乙10乙11乙12乙13乙14乙15乙16乙17乙18乙19

<2016.6.23 第1回期日>

答弁書+証拠説明書

[その他]

<2016.5.20 決起集会>

原告団申し合わせ事項「マイナンバー(共通番号)違憲訴訟に勝利するために」

2019年1月18日金曜日

第11回期日(2019年3月7日)のお知らせと傍聴のお願い

 いよいよ、証人尋問が行われます。日本年金機構の業務再委託による漏洩問題、捜査照会として捜査機関による個人情報の収集や企業による収集など、私たちの個人情報が様々な形で流出、利用されています。違憲訴訟が訴える「自己情報コントロール権」の侵害です。今回、証人尋問において、番号制度の危険性や問題性を立証します。傍聴席を満席にして裁判官に私たちの意思をみせるとともに証人・弁護団を応援したいと思います。本人同意のないまま参加させられる番号制度が抱える問題は原告だけでなく、市民の問題でもあると思います。ぜひ、傍聴にご協力ください。

日時 2019年3月7日(木)午前10時30分開廷
場所 横浜地方裁判所101号法廷
集合 9時30分までにお集まりください
(地図 google map)
  

  • 傍聴抽選整理券交付時間は9時30分から9時45分です。遅れないようにお集まりください。
  • 裁判所の入り口が日本大通り側(開港記念会館と反対側)のみになり、ゲート式の金属探知機等を用いた所持品検査が行なわれます。
  • 傍聴に外れた方は波止場会館で待機していただき、午後から傍聴に入れるようにします。待機中は、DVDを上映いたします。
  • 午後から傍聴の方は、裁判所ホールにお越しください。

<証人尋問> ※予定です
森田 明さん(弁護士)
 弁護団:10時30分~11時30分/国:11時30分~12時
~~休憩~~
原田 富弘さん(共通番号いらないネット)
 弁護団:13時30分~14時30分国:14時30分~15時
宮崎 俊郎さん(原告)
 弁護団:15時~15時30分国:15時30分~15時40分


★裁判終了後、報告集会を開催します
開催時間:16時~(予定)
会場:波止場会館・1階多目的ホール

  • 報告集会の終了後、おなじ波止場会館内で交流会(ケータリング)を開きます。参加費はお1人2000円~2500円です。お時間がある方は、ぜひご参加ください。

(地図 google map)

2018年12月26日水曜日

第10回期日の概要報告

 国に対してマイナンバー制度の人権侵害等を訴える「マイナンバー(共通番号)違憲訴訟@神奈川」の第10回期日が2018年12月20日、横浜地裁・101号法廷で開廷。原告・傍聴者など68名が参集しました。

新たな不正運用が発覚 「もはや制度運用の停止しか対処方法はない」


 はじめに、原告代理人の小賀坂弁護士が準備書面にもとづいて意見陳述。12月14日以降、国税庁やさいたま市などから個人番号を含む税関連の個人情報の入力業務の委託を受けていたシステムズ・デザイン社が、無断かつ契約に違反して外部企業に再委託していたことが判明。実に約226万件の特定個人情報(マイナンバー含む)が外部に流出していたことが明らかとなりました。この件を踏まえ小賀坂さんは「訴訟の進行中にも多数の問題が顕在化しており、もはや制度の運用をやめることしか対処方法はない」と強調しました。
 裁判長が被告・国側に対し、この件に関する主張(反論)があるか尋ねましたが、「特にない」と相変わらずの不誠実な返答で終わりました。

3人の人証尋問を採用、次回期日が山場に


 次に、前回期日で原告が申請した人証尋問(原告代表・宮崎俊郎さん、個人情報問題に精通する弁護士・森田明さん、マイナンバー制度に精通する元地方公務員/共通番号いらないネット事務局・原田富弘さん、個人情報保護委員会事務局長・其田真理氏の4名)ついて、裁判長は其田氏を除く3名の採用を告げました。其田氏の不採用の理由については説明がありませんでした。
 人証尋問は次回の期日(2019年3月7日)で一日かけて実施することとし、その際の進行について協議。裁判長からは「人証尋問の終了と同時に終結もある」と含みを持たせる発言がありましたが、これに対し原告側は、まとめの主張(準備書面)の提出と意見陳述の機会を要求。今後の裁判の進行については、次回期日の前に調整することとなりました。

 裁判終了後には弁護士会館で報告集会を開催。小賀坂さんから裁判の報告とともに、「次回の人証尋問で裁判も山場を迎える。傍聴席を満席にして世論の関心を高めてほしい」と呼びかけました。

報告集会(動画) 提供:JOURNAL ASIA

写真は報告集会の様子です

2018年12月6日木曜日

第10回期日(2018年12月20日)のお知らせと傍聴のお願い

 前回第9回期日は、証人申請の採否が行われ結審に近づくかもと緊張して迎えました。弁護団が日本年金機構の再委託問題で個人情報保護委員会が何ら適切な権限を行使しなかったことを上げて個人情報保護員会事務局長を証人として申請したところ、国側が反論するとの答弁を受けて審議続行となりました。今回、国の言い訳に対して弁護団も反論していきますが、証人の採否が行われるものと思われます。傍聴席を満席にして裁判官にこのままでは終わらせられないという思いをみせていきたいと思います。
 マイナンバー制度がもつ問題は原告だけでなく、この制度に本人同意のないまま参加させられる市民の問題でもあると思います。ぜひ、傍聴にご協力ください。


日時 2018年12月20日(木)午前11時30分開廷
場所 横浜地方裁判所101号法廷
集合 11時00分までにお集まりください

(地図 google map)
  

[ご注意]
 裁判所の入口が日本大通り側(開港記念会館と反対側)のみになりました。また入口で「荷物検査」も行われることになりました。

★裁判終了後、報告集会を弁護士会館(横浜地裁の裏側、開港記念会館の向かい側)で開催します

2018年12月5日水曜日

原告団通信(バックナンバー)

No.1(2016.9.15)
No.2(2016.12.14)
No.3(2017.4.14)
No.4
No.5(2017.11.30)
No.6(2018.3.11)
No.7(2018.6.7)
No.8(2018.10.2)
No.9(2018.12.1)

2018年10月31日水曜日

第9回期日の概要報告

 国を相手にマイナンバー制度の人権侵害等を訴える「マイナンバー(共通番号)違憲訴訟@神奈川」の第9回期日(口頭弁論)が10月25日、横浜地裁で開廷。原告・代理人など83名が参集しました。

個人情報保護委員会の機能不全は極限に

 はじめに、原告代理人の小林弁護士が漏洩事故等について、準備書面に基づき意見陳述を行いました。
 今年5月21日、新潟県上越市で住民税特別徴収税額通知(以下:特徴通知)が無関係の法人にオンラインで誤送信され、26名分のマイナンバーを含む個人情報の漏洩が発覚。昨年に多発した特徴通知の誤送付事故と合わせ、少なくとも105自治体で700人超のマイナンバーが漏洩したことを明らかにしました。
 また、日本年金機構(以下:機構)が健康保険・厚生年金保険の被保険者資格取得届など17種類の書類のデータ入力業務を委託した㈱恵和ビジネスが、禁止されている再委託をしていたことが発覚。その一部にはマイナンバーが含まれていたことも明らかにしました。この番号法違反に対し、個人情報保護委員会が機構に必要な指導・勧告・命令等の権限行使をしたという発表はなく、小林弁護士は同委員会の機能不全が極限に達している証左だと指摘しました。同時に、これはマイナンバー制度そのものの不備に他ならず、住基ネット最高裁判決に照らしても制度の違憲性は明白だと主張しました。

人証尋問の採否、次回持ち越し

 次に、原告側が事前に提出した証人4人と原告1人の人証申請について確認しました。原告側は証人として憲法学者、個人情報問題に精通する弁護士、マイナンバー制度に精通する元地方公務員、個人情報保護委員会・事務局長の其田真理氏を指定しました(憲法学者については、一身上の都合により証人を辞退する旨の連絡が期日前にありました)。
 原告代理人の小賀坂弁護士は「制度の信頼の根幹を成す個人情報保護委員会の機能不全は重大な欠陥。国側から反論文が出されない以上、其田氏に法廷でしっかりと反論していただきたい」と述べました。裁判長が被告・国側の意向を質したところ、▽同委員会の件については次回期日までに準備書面(反論文)を提出する、▽人証尋問(証人尋問+当事者尋問)は不要だと考える―と回答しました。
 国側の突然の準備書面提出の意向を受け、裁判長と2名の陪席裁判官が合議のため一旦退廷。約1分後、法廷に戻ってきた裁判長は、「合議の結果、審議続行」と告げ、次回期日での国側の反論を受けてから、人証尋問の採否を決めるとしました。

 裁判終了後はYWCA横浜に移動し、報告集会を開催。裁判内容の報告などの後、次回期日の日程(12月20日)を確認しました。

原告交流会を開催

 なお、報告集会の終了後、原告など約20名が残り、交流会を開催しました。意見交換では、証券会社や銀行、協会けんぽ、ハローワークなど、マイナンバーの提供が求められる場面が確実に増えている実態が経験談として語られました。最後に、いかなる場面でも「番号制は嫌だ」と表明し、「書かない番号・持たないカード」の徹底を再確認して終了しました。

※写真は報告集会、原告交流会の様子です