撮影・提供:JOURNAL ASIA
本人の同意なく個人情報を収集・利用されるマイナンバー制度はプライバシー権を侵害する等として、県民など230名が国に対して個人番号の収集・利用停止などを求める訴えを起こしました。
2023年2月28日火曜日
2022年10月12日水曜日
2022年8月18日木曜日
2022年5月2日月曜日
2022年2月18日金曜日
2021年7月13日火曜日
2021.7.2 控訴審第2回期日 概要報告(報告集会の動画あり)
2021年7月2日、マイナンバー違憲訴訟@神奈川の控訴審第2回期日が東京高裁で開かれました。当日はあいにくの梅雨空の中でしたが、控訴人ら55名が参集し、抽選券が配られました。
午前11時に開廷。はじめに裁判長より、意見陳述に入る前に、今後の裁判の進行について協議したいとの発言があり、控訴人と被控訴人・国それぞれに対し、今後提出予定の準備書面について質問されました。控訴人からは、憲法論での補完主張やマイナンバー制度とデジタル改革関連法との関係における主張および立証等を提出すること(10月上旬まで)、被控訴人・国からは個人情報保護委員会の機能不全を指摘する控訴人の主張に対する求釈明、憲法41条違反を主張する控訴人意見書への反論文等を提出すること(8月上旬まで)が確認されました。
相次ぐ違法再委託 原因は番号制度の欠陥そのもの
続いて控訴代理人の小林弁護士が、自治体や国税局等のマイナンバー利用事務を委託した業者が委託元の許可を得ずに再委託している実態が相次いで発覚した件(以下:違法再委託)について、情報公開請求による開示資料の分析をもと意見陳述しました。なお、違法再委託による漏洩は約225万4650人分に及びます。
小林弁護士は、情報公開により▽自治体・行政機関等の業務委託元が委託先・再委託先に対し、「必要かつ適切な監督」を行っていない、▽委託元、委託先等の法令上の規制の理解が皆無、▽厳格な保管・管理等が要求される特定個人情報を扱えるだけの体制、人的資源、設備等が備わっていない―等の実態が明らかになったと指摘。マイナンバー制度を運用するための社会的基盤がなく、今後も大量漏洩は不可避だとした。
また、この実態は制度上の欠陥そのものであり、「技術上または法制度上の不備があり、(中略)第三者に開示または公表される具体的な危険が生じていない」とした住基ネット最高裁判決を満たしていないと強調しました。
役所窓口は「マイナカード狂乱」
次に、控訴人を代表して、住谷和典氏が意見陳述しました。住谷さんは、行政の効率化を謳ったマイナンバー制度だが、▽特別定額給付金の支給時に同カードの取得やパスワード変更で役所窓口に人が殺到、結果として郵送申請のほうが速やかに支給できたこと、▽マイナポイントという経済誘導により、同カード取得申請で役所内は今も“三密”状態であること―など、自治体事務の現場は「マイナンバーカード狂乱」とも言える混乱が生じ、職員が疲弊している実態を吐露しました。
また、公務窓口は「申請・届出と相談は一体」だとし、申請者の声に丁寧に耳を傾け、職員が培ってきた知識や経験により、何が最も適切な施策なのかについて助言し、それによって住民のくらしを支えるのが国・自治体の役割だと主張。しかしマイナンバー関連の実務を強要され、それに振り回される職員、なによりも住民が不在の構図の中で、本来あるべき行政の姿が大きく歪められており、住民の信頼も低下する一方だと指摘しました。
その上で、自己情報コントロール権さえ認めない国の下でのデジタル化等の推進は、個人情報保護、プライバシーの保障に重大な懸念を抱かざるを得ないとし、憲法や行政の本旨に反し、国民の権利を侵害する、マイナンバー制度の廃止を訴えました。
閉廷後、参議院議員会館に移動し報告集会を開催。次回の第3回期日(10月20日)に向けて、証人申請が出来るように準備していくこと、控訴人の意見集約を進めていくこと等が確認されました。
意見書(PDF)
撮影・提供:JOURNAL ASIA
2021年6月22日火曜日
2021年3月12日金曜日
2020年12月8日火曜日
2019年7月26日金曜日
第12回期日(2019.6.20)の概要報告
国に対してマイナンバー制度のプライバシー侵害等を訴える「マイナンバー(共通番号)違憲訴訟@神奈川」の第12回期日が6月20日、横浜地裁・101号法廷で行われ、結審が宣言されました。全国8地裁で係争中の同訴訟のうち、結審したのは神奈川訴訟が初めて。判決は9月26日(木)に言い渡されることとなりました。この件については、東京新聞、神奈川新聞、産経新聞などが報じています。
原告2名が最後の陳述 「マイナンバー制度への抵抗感強い」
この日は原告・傍聴者など93名が参集しました。
口頭弁論では、はじめに原告本人2名が意見陳述しました。税理士の益子良一さんは、SSN(ソーシャル・セキュリティ・ナンバー:社会保障番号)による「なりすまし被害」が頻発し、社会問題化しているアメリカの実態を例に、日本も同じ状況になる危険があると警鐘を鳴らしました。また、国税庁が今年の確定申告から電子申告(e-Tax)でID・パスワード方式を導入し、マイナンバーカードを不要としたことで、e-Taxでの申告が大幅に増加したことを紹介。同カードの利便性の無さ、ひいてはマイナンバー制度への抵抗感の強さの証左だと強調しました。労働組合の役員で元・労働局職員の住谷和典さんは、マイナンバーの厳格かつ煩雑な取り扱いによりハローワーク内で混乱が生じている実態を提示。制度目的の業務効率化に反するばかりが、現場では漏洩リスクや処罰への不安が増大していると訴えました。
続いて原告代理人の小林弁護士が陳述。国税局や地方自治体の入力業務の委託業者が無断で再委託した件について、当該自治体に情報公開したところ、▽少なくとも230万人分のマイナンバーが漏洩、▽一部が海外で処理されていること、▽この重大問題に対し個人情報保護委員会が何らの対応策を打ち出していないこと―等が明らかになったと報告しました。その上で小林さんは、制度構造上の問題、漏洩の具体的危険は認めざるを得ないと強調しました。
どこを切り取っても制度の違憲性は明白 弁護団が熱弁
次に、最終準備書面をもとに、4名の原告代理人が制度の問題や違憲性について総括的に陳述しました。
小笠原弁護士は、情報化社会の中でプライバシーをどう考えるか、が問われている裁判だと指摘。司法が「自己情報コントロール権」の存在を明確に示すことが必要不可欠だと主張しました。
竹本弁護士は制度目的の欠如を主張。民主党政権が提案した「給付付き税額控除」など、公正な給付と負担の確保を達成する施策の運用基盤であったはずが、自民党政権によってこれら施策が見送りに。国民のプライバシー介入を正当化するだけの目的論が何ら存在しないと強調しました。
鈴木弁護士は制度のシステム上の不備について陳述。相次ぐ漏洩事故、個人情報保護委員会の機能不全など、安全管理措置が何ら機能しておらず、制度的な欠陥は明白だと主張しました。
前述の三者の主張を踏まえ、小賀坂弁護士は住基ネット最高裁判決における違憲審査の方法にしたがって判断しても、マイナンバー制度の違憲性は明白だと強調しました。
被告・国からの反対弁論はなく、裁判長より結審が宣言され、閉廷しました。終了後には報告集会が開催。裁判の報告の他、判決までの取り組みや、高裁を見据えた今後の展開等について意見交換がなされました。
2019年3月26日火曜日
第11回期日(2019.3.7)の概要報告
続いて、原告本人の宮崎俊郎さんが証言。番号で一元管理された個人情報で人格形成がなされることの嫌悪感を訴え、マイナンバー制度という巨大な情報システムに参加しないという選択権を主張しました。
2018年12月26日水曜日
第10回期日(2018.12.20)の概要報告
新たな不正運用が発覚 「もはや制度運用の停止しか対処方法はない」
はじめに、原告代理人の小賀坂弁護士が準備書面にもとづいて意見陳述。12月14日以降、国税庁やさいたま市などから個人番号を含む税関連の個人情報の入力業務の委託を受けていたシステムズ・デザイン社が、無断かつ契約に違反して外部企業に再委託していたことが判明。実に約226万件の特定個人情報(マイナンバー含む)が外部に流出していたことが明らかとなりました。この件を踏まえ小賀坂さんは「訴訟の進行中にも多数の問題が顕在化しており、もはや制度の運用をやめることしか対処方法はない」と強調しました。裁判長が被告・国側に対し、この件に関する主張(反論)があるか尋ねましたが、「特にない」と相変わらずの不誠実な返答で終わりました。
3人の人証尋問を採用、次回期日が山場に
次に、前回期日で原告が申請した人証尋問(原告代表・宮崎俊郎さん、個人情報問題に精通する弁護士・森田明さん、マイナンバー制度に精通する元地方公務員/共通番号いらないネット事務局・原田富弘さん、個人情報保護委員会事務局長・其田真理氏の4名)ついて、裁判長は其田氏を除く3名の採用を告げました。其田氏の不採用の理由については説明がありませんでした。人証尋問は次回の期日(2019年3月7日)で一日かけて実施することとし、その際の進行について協議。裁判長からは「人証尋問の終了と同時に終結もある」と含みを持たせる発言がありましたが、これに対し原告側は、まとめの主張(準備書面)の提出と意見陳述の機会を要求。今後の裁判の進行については、次回期日の前に調整することとなりました。
裁判終了後には弁護士会館で報告集会を開催。小賀坂さんから裁判の報告とともに、「次回の人証尋問で裁判も山場を迎える。傍聴席を満席にして世論の関心を高めてほしい」と呼びかけました。