2018年12月26日水曜日

第10回期日(2018.12.20)の概要報告

 国に対してマイナンバー制度の人権侵害等を訴える「マイナンバー(共通番号)違憲訴訟@神奈川」の第10回期日が2018年12月20日、横浜地裁・101号法廷で開廷。原告・傍聴者など68名が参集しました。

新たな不正運用が発覚 「もはや制度運用の停止しか対処方法はない」

はじめに、原告代理人の小賀坂弁護士が準備書面にもとづいて意見陳述。12月14日以降、国税庁やさいたま市などから個人番号を含む税関連の個人情報の入力業務の委託を受けていたシステムズ・デザイン社が、無断かつ契約に違反して外部企業に再委託していたことが判明。実に約226万件の特定個人情報(マイナンバー含む)が外部に流出していたことが明らかとなりました。この件を踏まえ小賀坂さんは「訴訟の進行中にも多数の問題が顕在化しており、もはや制度の運用をやめることしか対処方法はない」と強調しました。
 裁判長が被告・国側に対し、この件に関する主張(反論)があるか尋ねましたが、「特にない」と相変わらずの不誠実な返答で終わりました。

3人の人証尋問を採用、次回期日が山場に

次に、前回期日で原告が申請した人証尋問(原告代表・宮崎俊郎さん、個人情報問題に精通する弁護士・森田明さん、マイナンバー制度に精通する元地方公務員/共通番号いらないネット事務局・原田富弘さん、個人情報保護委員会事務局長・其田真理氏の4名)ついて、裁判長は其田氏を除く3名の採用を告げました。其田氏の不採用の理由については説明がありませんでした。
 人証尋問は次回の期日(2019年3月7日)で一日かけて実施することとし、その際の進行について協議。裁判長からは「人証尋問の終了と同時に終結もある」と含みを持たせる発言がありましたが、これに対し原告側は、まとめの主張(準備書面)の提出と意見陳述の機会を要求。今後の裁判の進行については、次回期日の前に調整することとなりました。

 裁判終了後には弁護士会館で報告集会を開催。小賀坂さんから裁判の報告とともに、「次回の人証尋問で裁判も山場を迎える。傍聴席を満席にして世論の関心を高めてほしい」と呼びかけました。

報告集会(動画) 提供:JOURNAL ASIA

写真は報告集会の様子です