2018年10月31日水曜日

第9回期日の概要報告

 国を相手にマイナンバー制度の人権侵害等を訴える「マイナンバー(共通番号)違憲訴訟@神奈川」の第9回期日(口頭弁論)が10月25日、横浜地裁で開廷。原告・代理人など83名が参集しました。

個人情報保護委員会の機能不全は極限に

 はじめに、原告代理人の小林弁護士が漏洩事故等について、準備書面に基づき意見陳述を行いました。
 今年5月21日、新潟県上越市で住民税特別徴収税額通知(以下:特徴通知)が無関係の法人にオンラインで誤送信され、26名分のマイナンバーを含む個人情報の漏洩が発覚。昨年に多発した特徴通知の誤送付事故と合わせ、少なくとも105自治体で700人超のマイナンバーが漏洩したことを明らかにしました。
 また、日本年金機構(以下:機構)が健康保険・厚生年金保険の被保険者資格取得届など17種類の書類のデータ入力業務を委託した㈱恵和ビジネスが、禁止されている再委託をしていたことが発覚。その一部にはマイナンバーが含まれていたことも明らかにしました。この番号法違反に対し、個人情報保護委員会が機構に必要な指導・勧告・命令等の権限行使をしたという発表はなく、小林弁護士は同委員会の機能不全が極限に達している証左だと指摘しました。同時に、これはマイナンバー制度そのものの不備に他ならず、住基ネット最高裁判決に照らしても制度の違憲性は明白だと主張しました。

人証尋問の採否、次回持ち越し

 次に、原告側が事前に提出した証人4人と原告1人の人証申請について確認しました。原告側は証人として憲法学者、個人情報問題に精通する弁護士、マイナンバー制度に精通する元地方公務員、個人情報保護委員会・事務局長の其田真理氏を指定しました(憲法学者については、一身上の都合により証人を辞退する旨の連絡が期日前にありました)。
 原告代理人の小賀坂弁護士は「制度の信頼の根幹を成す個人情報保護委員会の機能不全は重大な欠陥。国側から反論文が出されない以上、其田氏に法廷でしっかりと反論していただきたい」と述べました。裁判長が被告・国側の意向を質したところ、▽同委員会の件については次回期日までに準備書面(反論文)を提出する、▽人証尋問(証人尋問+当事者尋問)は不要だと考える―と回答しました。
 国側の突然の準備書面提出の意向を受け、裁判長と2名の陪席裁判官が合議のため一旦退廷。約1分後、法廷に戻ってきた裁判長は、「合議の結果、審議続行」と告げ、次回期日での国側の反論を受けてから、人証尋問の採否を決めるとしました。

 裁判終了後はYWCA横浜に移動し、報告集会を開催。裁判内容の報告などの後、次回期日の日程(12月20日)を確認しました。

原告交流会を開催

 なお、報告集会の終了後、原告など約20名が残り、交流会を開催しました。意見交換では、証券会社や銀行、協会けんぽ、ハローワークなど、マイナンバーの提供が求められる場面が確実に増えている実態が経験談として語られました。最後に、いかなる場面でも「番号制は嫌だ」と表明し、「書かない番号・持たないカード」の徹底を再確認して終了しました。

※写真は報告集会、原告交流会の様子です